よつまお

雑記と過去ログ置き場。時々担当が入れ替わりながら、ゆるーく不定期更新していきます。

【訴訟乱発!のウラ】ラウンドアップ(グリホサート)裁判の中身を調べてみよう

 

さてまずは、三行じゃ終わらない「長ぇ」前置きよ。今回はグリホサート裁判、勝手に略してグリホ裁判について。(※注:他社一般商品名とは一切関係ありません)

なお当記事は前回記事の編集後記的な位置づけなので、先日ほどの深堀りはしていないのであらかじめ断っておくで。

 

あわせて公開以来、幾多のマイナーアップデートを繰り返しつつ、好き勝手に雑感も多く散りばめてあり、とっ散らかって果てしなく読みにくくなっておる。正直すまんな。

ちなみにー、前回記事に対して「せっかくだから訴訟の件についても追記してクレメンス」という約一名の貴重なご要望にお応えして、こちらを別記事として作成するに至った次第。動機を与えてくれて感謝

 

※「うるせぇ!御託はええんや!さっさと本題に入りやがれ!」というせっかちなかたは、サクッと目次直前までジャンプ!

 

っていうかラウンドアップ問題は個人的にはもうお腹いっぱいw 「懇切丁寧に何を言ってもキリがないゼロリスク(しか許さない)信奉者」が「無限湧き」してくるので疲れるんだよw

(説明コストが異常に激高。キケンダー<<<<越えられない壁<<<<まだあわてるような時間じゃない≦安全)

つい先日の米国からの"遺伝子組み換えトウモロコシ(飼料用)"の輸入報道の件に端を発して、再び反GMOや除草剤のラウンドアップ害悪論が活気付いてるしさぁ。

(あわせて同時期に話題に挙がった、全く別物の「ゲノム編集食品」を同列に語る人が現れたりとかw)

 

一方で、おそらく賢明でリテラシーのある読者サマであれば、前回記事や当記事の内容を俯瞰的に拾い読みしただけでも背景をしっかり理解してくれると思われ。

※前回同様、基本的には煽っていくスタイルなので、不快に思うかたは(言うまでもないが)戻るボタンを駆使してブラウザバックしてねん。

f:id:yotsumao:20190902234716j:plain

さてさて、去る2019年5月22日に「疑似科学のウラ」と題して、一部界隈には話題のラウンドアップ(グリホサート)批判の裏側をちょっと調べて記事にしてみたわけだけど。

yotsumao.hatenablog.com

 

特に鳴かず飛ばずだったこの記事が、なぜか公開してから2か月以上経って急に幾人かの方々に「はてブ」して頂いてね。

それを機にホッテントリ入りしたり、疑似科学ウォッチャーwの左巻健男氏などにご紹介頂いたりとしていたわけだが、

その後に、何を血迷ったのか某ホリエモン氏がFBとtwitterのタイムラインに当該記事を流したもんだからさぁ大変ww

この記事だけでも1日1万PVを突破して、いわゆるプチ「バズ」状態を経験したわけだが。まぁ反応としては、実に冷静な人が多くて概ねご好評いただいたわけよ。

 

とはいえ人の感想は千差万別なのは当然なわけで、"批評家サマ"たちから「言葉が汚ねぇ」やら「シャレがつまらねぇ」やら「文体が好みじゃねぇ」やら「難しい」やら「分かりづらい」やら、果ては「疲れる」やら「長ぇ」やらww

("マジ、クソ、ヤバイ"の若者ボキャブラリーじゃあるまいし、論証ってそもそも長くなるの当たり前やんか。まぁ私はムダ話も多いのは認めるけどな

てかそんなんじゃ、日頃ネット民が揶揄しがちな"なろう作家"の方々の短編小説すら読めないし、真の悪文/長文読解に出会ったことがあるヒトたちから鼻で笑われると思うわん。)

 

しかしいずれにしろわざわざアクセスしてくださってありがとん。それと同時に、だったら自分でggrks、って思うわよ。自分好みの「池上彰」は自分で探してね(はぁと

 

結局のところね、本当に「マジメ」なヒトなら最初からマジメな情報に行き着くはずで、

ネットの電子の海の中に山ほどある「正しい言葉遣い」の情報源から、なんでわざわざ不真面目な当ブログに流れ着いたのか意味不明w

 

(とはいえマジメなヒトだけが分かってりゃいい話でもないはずで、色々と真に受けて怖がったり流されやすいライト層へ向けて、

わりとくだけた表現の不真面目な記事はあっていいと思うねん。まぁ好みの問題は知らんけど)

 

それこそ先の記事内でも引用した英語論文はじめとして賛否双方ぐぐりゃ簡単に出てくるわけじゃん。

なのに、「ネット上には、キケン!っていう情報"しか"ない!」なんてハッキリ言って言い過ぎで、調べ方が悪いとしか言いようがないわけよ。

 

そりゃ日本語で「グリホサート 危険」とかぐぐったら、冒頭にネットのニュースサイトリンクでも貼って「怖いですよね!私も気を付けたいです!そこでこちらのオーガニック製品なら~」的な類いのページしか(w)ヒットしないでしょうよw

 

他方で、別に農薬問題に普段関心のない私が「なげぇ」記事を書いたモチベーションをきちんと分析してくれたかたもいて、

「これだけ掘り下げるってことは、きっと好奇心が駆り立てられたんやろなぁ。掘れば掘るほど香ばしかったからw(要約)」っていう。

そう、そうなんだよ!さすが同じIT畑の人だぜw とりあえず何か目の前に問題があったら、よく調べたいっていうか中身はどうなってるのか解き明かしたいっていうか、そういう思い。

 

なぜか知らんけど記事からそれを感じてくれたそのかたへは、この場を借りて最大級の謝辞を送りたい。

と同時に、あの記事文末にひっそり貼っていたアフィリンク経由で、論争の渦中にあるラウンドアップを買ってくれた極めて奇特な約1名には、私の独断で「名誉ラウンドアッパー」の称号を授与したいと思うw

(そもそも斜め読みでも読破して文末に辿り着いた人はどのくらいいるんだろうねw まぁブログなんぞ、読みたい(読める)ヒトだけが読んでくれりゃええねん。)

 

さてさて、ようやくここから本題に入っていくよ(入るとは言ってない)。

これは危険論を拡散している人が良く言うんだけど、「ラウンドアップは米国で裁判に負けた!訴訟も乱発されている!よって危険なのは間違いないんだー!裁判所がそれを認めたんだー!(棒)」っていう言論。

 

実際に私の先の記事にもそういったことを言う人がいて、加えて、どうせ何処かからお金貰って書いている擁護記事だろうとか、

「無名&匿名」の著者のブログなんて信用できないとか、もし本当に危険じゃないなら裁判起こされるわけないとか、ハッキリ言ってすげぇ「雑of雑な」反論があったわけだけど。

まず、専門ライターでもない弱小ブログの私なんぞに報酬払って依頼するなんて、「世界を牛耳る悪の多国籍企業とやら」は随分みみっちいことするんだねぇw

 

無名だから信用に値しない論についても、そもそも記事内の出典リンクとか全然目に入ってないんだろうなーって思うんだけど、先の記事内で紹介した「Samsel & Seneff」氏はまさに「医学ド素人」だったわけで。

最初にそれを強い根拠としていたのは危険論の方々じゃなかったでしたっけ?

まさか無名の著者の論文を称賛していた人たちが、無名のブログ記事を批判するとは、一体どういう思考回路と判断基準だよw

 

結局ね、こういった雑な反論からも分かる通り、もはやこの問題において「科学」ってものはそれぞれの好みの立場を補強するためのツールとして使われている感が強くて、

先の記事内でも結論付けたようにそれは「科学論争」ではなくて、単に「イデオロギー闘争」だし「政争」なんだよ。

また同様に記事内でも言及した通り、このラウンドアップ騒動のウラでは、危険論者がオーガニック推進に対してかなりの熱意を抱いているような印象。

つまりヴィーガン運動や反ワクチンのように、端的に言って結論(目的)ありきなんだよ。

 

というわけで、個々の思想的な好みが絡むそこに対して、これ以上とやかく言ってももはや不毛な気がするので、

今回のこの記事における主題は「じゃあ危険なモノじゃないなら、なぜ裁判起こされてる(負けた)の?」って話。

これは確かに日頃、危険論に与さない人にとっても不思議に感じるだろうし、農業等に携わる人にとっては他人事じゃなく、

ひいては子育て家庭等にとっても食や健康に対する不安に結びつくだろうと思う。すると、やっぱあんま使わん方がええんかなぁ、なーんて思ったりもすると思うんだけど。

 

しかし一方で、この件に関して「いや、アメリカってそういう国じゃね?」っていう実に的を射た冷静な人もいて。

もうここに全てを紐解く答えが詰まっていて、以下で長々私が書くまでもなく、が結論w だから下記以降はもうちょい掘り下げたい人だけ読んでね。

(ほら、ここまでで大体3000字だよ。あとは長くなって疲れるから短文文化どっぷりの人はここらで離脱してねw)

そもそも裁判って何よ?って話

何か微妙に勘違いしている人もいる気がするんだけど、まず押さえておきたいのは裁判所って別に「善悪なんでも全自動判定所」なんかじゃないよ?ってこと。

 

例えばさ、窃盗犯を捕まえて刑事裁判にかけた時、その人が実は殺人も犯していたとしても、裁判所はそれを勝手に探ってはくれないしそれを勝手に裁いてもくれない。

いわゆる「訴因」になっていない問題については判断しない。端的に言えば「争点」ってやつだね。

 

これはごく最近でも、娘に虐待していた父親が無罪判決を受けてネット上でちょっとした話題になっていたけれど、これも「検察側が攻め所ミスしたんじゃね?」って話もあるわけよ。

つまり虐待そのものではなく(というかその点については裁判上争いが無い)、「抵抗できたか否か」が争点だったのではないか、という説。

似たような論点では、ジャーナリストの江川紹子さんが下記リンクにて私見を交えて冷静に分析している。もしそうなら、検察側が作戦を変えて控訴するだけの話。

news.yahoo.co.jp

 

つまりね、裁判で負けただの勝っただの、無罪だの有罪だの、それだけを見て物事全体を判断してしまうのは早計だということ。

いや、気持ちは分かるんだけどね。でも先の事件判決だけ見て脊椎反射で「裁判官は無能だー即刻辞めさせろー」とか言っちゃうとちょっと過剰かな。

ニュースとかでも普通にタイトルで釣るスタイルもあるからさw 短文しか読めなくてそれを鵜呑みにしてる人ほど釣られると思う。

だから今回のラウンドアップ訴訟についても、その中身をもう少し覗いてみる必要があるってことよ。

アメリカの裁判ってどんなんだっけ?

個別のラウンドアップ訴訟を見る前に、先に米国の「お国柄」ってやつを知っておく必要があるよね。

まずは多くの人がアメリカの裁判でイメージするのは、「陪審員制度」っていうシステム。まぁこれは日本の裁判員制度ともちょっぴり似ているところもあるけれど、完全なる別物だよね。

 

あえてものすごーく誤解を恐れず言えば、たとえ法律や科学に詳しくなくたって、陪審員の一人として裁判上の争点における「事実認定」に関わって"正義の鉄槌"を下すことが出来ちゃうということ。

もっと簡単に言えば単に素人参加型裁判なわけだけど、自由の国アメリカさんはむしろその民衆のチカラってやつを信じている(それが大事で守るべきモノと考えている)ので、それなりに仕組みが回っているご様子。

※他方で陪審員制発祥のイギリスでは近年、陪審裁判の範囲が限定的になってきている。

 

次にアメリカについて多くの人がイメージするのは「訴訟大国」であるということ。

「猫を乾かすために電子レンジに入れたら~」なーんていう都市伝説が出来るくらい、とにかく何でも訴える雰囲気があったりとかねw

と同時に、メーカー側もそれを意識して製品にものすげー長い注意書きを用意したりする、っていうステレオタイプを抱くわけだ。

実はこの部分、後述のラウンドアップ訴訟においても大切なポイントなので覚えておいてね。

 

これらのイメージにおいてはほぼ誰もが共有できているから争いが無いと思うんだけど、一応先入観を防止するために、その訴訟大国っぷりを数字でも確認しておこうね。

まずは単純な人口比から。IMF統計によれば、日本が約1億3千万人、アメリカが3億3千万人。アメリカはざっと日本の2.5倍の人口だね。

https://ecodb.net/exec/trans_country.php?type=WEO&d=LP&c1=US&c2=JP

 

そして次に弁護士さんの数はなんとー、日本4万人に対して、アメリカさんは約130万人!つまり日本の32倍!!そりゃ訴訟の数もきっと32倍くらいに増えますわw(暴論)

https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/statistics/data/white_paper/2018/1-3-5_tokei_2018.pdf (PDF)

とはいえ、アメリカの場合は州法という存在があるために、それぞれの州で弁護士資格を取ることになるし、

仮に訴訟負けすると逆に担当弁護士が訴えられることもあるという謎ケース(w)もあるので、

自らの得意な専門分野以外の裁判には安易に手を出したがらない(ゆえに各方面に専門弁護士が乱立する)、っていう事情もあったりする。

 

んで肝心の訴訟数の比較は?ってことなんだけど日弁連によれば、

日本弁護士連合会: 第62回定期総会「民事司法改革と司法基盤整備の推進に関する決議」

依然として我が国の民事裁判の件数は、各国と比べても少ない。人口比で、アメリカの8分の1、イギリスの4分の1、ドイツの3分の1、フランスの4分の1、韓国の3分の1である(2010年12月・日弁連調べ)。

ってことでとりあえず海外の皆さんは、少なくともこの国の人より訴訟大好き!(訴訟を起こしやすい)環境にあることは間違いなさそうだね。

 

続いて、単純な件数だけではなく、面白い比較も下記ブログから引用しよう。

米国で訴訟が多い理由 | 気になることを調べてみましょう

資料出所:「法社会学(第2版)」村山眞維・濱野亮、裁判所HP
注)米国の訴訟件数はカリフォルニア州のデータ、判決率は州裁判所のうち大規模な45庁のデータ

10万人当たりの訴訟件数は、日本の651件に対して米国は3,095件となっており非常に多くなっています。

一方で、途中で和解になることが多く、米国の判決率は僅か3.3%であり、日本の47.4%に比べて非常に低くなっています。

ここで特筆すべきは「判決率」。アメリカの場合は起こされた裁判のうち、3%程度しか判決まで行っていない。

これはどういうことかと言えば、残りの90%以上はその前に取り下げか、もしくは和解が行われているということになるよね。

想像するに、とりあえず訴えてそれから着地点を探るっていうスタンスだろうか。まぁ合理的というかなんというか。

 

なお、これらは民事訴訟での話。そしてラウンドアップの件ももちろん民事での話。

だから裁判起こされたから(負けたから)といって、すなわち犯罪でもなければ、絶対悪!ではない、ってところをよく押さえておこうね。

そんなこと言ったら、日常的に訴訟が身の回りに溢れているアメリカの方々は極論みんな悪者だらけ!みたいな論法になっちゃうからねw

 

ちなみにー、日本でもアメリカでもある「集団訴訟」という形態(中身のシステム自体は違うけど)についても触れておこう。

日本で大規模と言えば、右派系における「NHKの虚偽報道」に対してで約8,700人、左派系における「東電への責任追及」に関してで約3,800人(提訴時)。まぁ近年ではこのくらい。

対して、アメリカ最大規模の集団訴訟と言えば、大手スーパーのウォルマートを相手取った性差別訴訟で実に160万人!!w

ね?向こうの裁判ってそもそもスケールが大きいし、ケタが違うんだよw

 

というわけでイメージだけではなく数字の上でも、やっぱアメリカって裁判がジャンクフード並みに身近なもの(?)ということは分かったところだねw

ラウンドアップ訴訟の内容は?

さてさて少しずつ今般の訴訟乱発騒動の核心に迫っていくよ。(迫るとは言ってない)

だいたい危険論の人が、バイエル(旧モンサント)を巨悪として設定しているとき、「敗訴」的な文脈で挙げられるのは以下の3つ。

 

◆2018年8月 Dewayne " Lee" Johnson氏のケース

陪審員による賠償額算定:2億8900万ドル→後日7800万ドルに減額

◆2019年3月 Edwin Hardeman氏のケース

陪審員による賠償額算定:8000万ドル→後日2500万ドルに減額

◆2019年5月 Alva Pilliod&Alberta Pilliod夫妻のケース

陪審員による賠償額算定:20億5500万ドル(各人10億ずつという評価)→後日8670万ドルに減額

 

ちなみにどれも「非ホジキンリンパ腫(NHL)」いわゆる悪性リンパ腫になった!という原告によってバイエルは裁判を起こされた。

※このテーマでの英語記事で"NHL"と書かれていたら、ホッケーリーグのことではないので誤読注意w

うーん、私が以前書いた記事内では危険論者は「あらゆる疾患に関係する絶対的な毒です(キリッ」とかやってたのに、ずいぶんターゲットを絞ってきたねぇ。

 

※というか最近は土壌汚染や環境破壊だのも言い出してきていて、攻め方をコロコロ変えてくる。(あるいは科学分野じゃなく政治判断の"種子法がー(棒"とかねw)

そして過去に「すぐにでもガンになるような書き方」をしてたことに対する危険論者側からの総括は基本的に無い

(まぁグリホサート=枯葉剤とかいう論理の飛躍どころか大ウソのデマを広めるような、ファクトチェック機能が壊滅的なヒトたちだからなぁ。きっと、植物が枯れるから枯葉剤なんだー(棒)っていう単純思考なんだろうねw)

 

さて、まずここで誰もが目に付くのは賠償額のケタがすげぇってことだよねw

それと同時に各ケースで金額がバラバラだし、なんで後日すげー減額されてんの?っていうところ。

この理由をあえて乱暴に書くと「陪審員制なんてそんなもんだから」w

 

もうちょっと正確に言うと、アメリカの賠償金額においてはそこにいわゆる「懲罰的損害賠償」が含まれていて、これは厳格な計算式が決められているわけじゃないんだよね。

つまり大体どのくらいの額を企業に課してやったら、後に悪さしないようになるか(痛い金額だと思うか)という点でざっくり計算されている。

 

でもそういう判断基準になると、大企業になればなるほど企業体力はあるために、まさに桁違いの懲罰的賠償額になってしまうので、

実は近年「やりすぎはよくないんじゃね?」っていう連邦最高裁判所判例などを元に、後日判事によって金額が是正されるのはよくあることなんだよ。

 

そして懲罰的賠償額は、実質的な損害額の〇倍程度におさめたほうがいいんじゃね?っていう基準があったりするので、上記のようなことが起きる。

もちろん是正額に原告が不服なら上訴すればいいし、企業側だってそもそも払いたくなければ異議を申し立てる、ってことで争いは実はまだまだ続いてたりするわけよ。

 

また前述のように「正式な判決」に至るケースはアメリカでは稀、ということだから判決を待たず、単に後日の司法取引で決着がつくことも大いにあり得るということだね。

 

さて、ここからは上記の3例の中身を個別にちょっと見ていこうね。

対Johnson氏のケース

Johnson氏は46歳で、グラウンドキーパーとして働いていたそうな。

Monsanto case: Jurors urge judge not to overturn $289 million award - SFChronicle.com

そしてその業務上、

Johnson, 46, of Vallejo, was a groundskeeper and pest-control manager for the Benicia Unified School District from 2012 until May 2016. His job included spraying Monsanto’s herbicide, glyphosate, in a high-concentration brand called Ranger Pro, from 50-gallon drums 20 to 30 times a year for two to three hours a day.

5年の間、50ガロンのラウンドアップ(レンジャープロ)を1日2~3時間、年に20~30回使用していたので、そのせいで病気になったんじゃないか?という話だね。

(※1ガロン=約3.785リットル)

そして、

He was diagnosed with non-Hodgkin's lymphoma in October 2014 and with a more aggressive form of the cancer in March 2015.

2014年10月に非ホジキンリンパ腫を発症、2015年5月にガンがさらに進行、

One of his doctors testified that Johnson is unlikely to survive to 2020.

 現状は2020年まで生きられるかどうか、という余命宣告をされている状態だそうな。

 

もちろんまだ若いのに大変なことだとは思うわけだが、ここでちょっと疑問。

それ本当にラウンドアップのせいなのか?というところ。

あくまで一般論として、ガンのリスク因子は多岐にわたるはずで、それを裁判上で果たして一つ(グリホサート)に断定することが出来るのかと。

 

もちろん原告はIARCの主張を主として、バイエルはEPA等その他多くの主張をそれぞれ証拠として提示していて、

それらを勘案して実際に製品のせいなのかどうか?の事実認定をしたのは、単に「陪審員」たちなんだよね。

 

そして陪審員たちは同時に、

After a trial that included testimony by medical experts on both sides, the jury found unanimously in August that Monsanto was responsible for his illness and should have known of the product's dangers.

バイエルはそのリスクを知ってたのに注意書きしなかったやろ!という点を責めている。

(そもそも私的な感覚だと、企業側は製品のリスクが無いと思っているわけだから、書かないのは別に自然じゃね?と思うわけだがw)

 

さらに陪審員らは懲罰的賠償の根拠として、

Jurors awarded damages for Johnson's financial losses, pain and suffering, and loss of life expectancy.

And in awarding $250 million in punitive damages, jurors found that Monsanto had acted maliciously by supplying the herbicide to the school district without disclosing its life-threatening effects, and by failing to return Johnson's phone calls after he became ill.

平均余命の損失を計上してみたり、リスクを隠してわざとバイエルが職場に製品を出荷し続けて、発病後の問い合わせにも真摯に応じなかったやろ!ということを責めている。

(いや、だから企業としてはそもそも危険と思ってないからry)

 

この流れだけでも、なんとなーく分かってくれると思うんだけど、危険論者が良く言う「科学的に害があることを裁判所が認めたんだー!」の話からは微妙にズレてしまっていて、

「リスクあるのを知っていただろ?(なぜならIARCが言っているから)、んでそれを故意に製品に書かなかっただろ?」というところが企業側の落ち度である、という評決なんだよ。

 

対して、バイエル側とすれば「いや、EPAをはじめとして皆安全て言ってるやん!ほら、これが研究結果!なのになぜわざわざ書かなきゃあかんのや!」と反発しているということ。つまり裁判における「争点」はココ。

冒頭の方でも言及したように、争点を見誤ると一体結果がどういう意味を成してくるのかが分からなくなるんだよね。

 

というわけで後日、判事によって損害賠償額は減額されるわけだけど、その際に

In a tentative ruling last week, however, Bolanos said Johnson's lawyers presented no evidence that any Monsanto employee had known or believed that its products could cause cancer.

She also questioned whether California law authorized the jury's award of $1 million for each year of his life expectancy before the cancer diagnosis.

「わざと隠した」的な明確な証拠って何か原告(弁護士)から出されたっけ?ということと、そもそも余命1年ごとに100万ドル加算はいかがなもんなん?ということを言われている。

(※原則として、陪審員たちの事実認定自体を無条件に判事が覆すことは許されないんだけれど、判例や法を根拠として賠償額の修正などは行えるんだね) 

 

では以下も同様に、何が「争点」かに注意してみてみよう。

対Hardeman氏のケース

ちょっとこの件の場合は、他とは注目度が違ったりする。

というのも、各地のラウンドアップを訴えてやる!という軽く1000人以上の訴えを、「だったらカリフォルニアのサンフランシスコ連邦地方裁判所でまとめてやるよ~」としたんだよね。

そしてHardeman氏の件はそのうちの一つで、残された多くの訴訟の今後を占う重要なものだったわけ。

 

まぁ実際全米で現状1万件以上訴訟が乱発されてるんで、統合でもしなきゃいつ終わるか分かんねぇwってやつだけど、

もちろん弊害もあって、州によって州法が違うのに何1か所でやろうとしてんの?っていうことで企業側も反発していたりするね。

Monsanto wants Roundup cancer lawsuits moved out of California - SFChronicle.com

 

さてさてそんなHardeman氏は70歳、日常的にハイキングコースの雑草に対してラウンドアップを使用していたそうな。

https://www.buzzfeednews.com/article/skbaer/monsanto-roundup-cancer-hardeman-verdict

そして2015年2月に非ホジキンリンパ腫を発症。

Hardeman was diagnosed with non-Hodgkin's lymphoma in February 2015 after using Roundup to kill poison oak and other invasive plants on his 56-acre property for more than two decades.

使用期間や使用量は前述のケースとはケタが違っていて、

Jennifer Moore, an attorney for the Sonoma County man, said Hardeman used Roundup regularly, spraying approximately 6,000 gallons of the herbicide over the course of 26 years. 

弁護士によれば26年以上で6000ガロンくらい使った、という計算になっているようだね。

 

そしてここでも「争点」。

The lawsuit alleges that Hardeman's long-term exposure to Roundup caused his cancer and that Monsanto knew or should have known of the risks and failed to provide adequate warnings about the harm associated with using the product.

やっぱ企業側はリスクを知ってたし、なのに隠して警告しなかっただろ!ということ。

(いや、そりゃIARCがなんか言ってるーwくらいは知ってるだろうけど、、)

 

ちなみにー、こういった流れを詳しく知りたい人はカリフォルニア州の裁判所公式ページに行ってみよう。

特にこの裁判の場合は、世間の注目度が高いという観点から多くの資料が公開されている

https://www.cand.uscourts.gov/VC/roundupmdl

 

最終的な争点に関してはこの資料。Final Phase 2 Instructions (PDF)

https://www.cand.uscourts.gov/filelibrary/3674/PTO139.pdf

(1) Roundup’s design was defective; (2) Roundup lacked sufficient warning of potential risks;
and (3) Monsanto was negligent by not using reasonable care to warn about the risks posed by Roundup. 

きちんと明確化されていて、そのために原告はどのような証拠が必要なのかもPDFの中で明示されているよ。

なお、これはプレトライアル(ざっくり言って争点の洗い出しや証拠固めなどの時期)で行われたもので、むしろ実際の審理よりこっちにめっちゃ時間を掛けている。

 

こういったアメリカの裁判資料にマニアックになってみたい人は、ぜひ下記のPACERのような訴訟モニタリングツールに登録して全ての流れを追ってみてもいいかもねw

https://www.pacer.gov/

 

さてさて話の本筋に戻って、結局この件でも争点は前述のケースと基本同じなので結果は言わずもがな

しかしこの際に担当判事は、

"Although the evidence that Roundup causes cancer is quite equivocal, there is strong evidence from which a jury could conclude that Monsanto does not particularly care whether its product is in fact giving people cancer, focusing instead on manipulating public opinion and undermining anyone who raises genuine and legitimate concerns about the issue," Chhabria wrote.

「発がん性」自体は正直微妙かもしれんけど、そのリスクを全然大したことないみたいに振る舞ってる企業側もさすがにどうかと思うで。(意訳)

というわけで、ガンになったことの因果関係の認定自体を、判事は積極的に支持していないことが分かるね。

 

しかし、なんで危険論者は裁判に勝った!やっぱり危険だった!と言うだけで、この点をきちんと言及しないんだ?

(※後日2500万ドルに減額されたのは、前ケースと同様に懲罰的賠償額のバランス問題)

 

まぁただバイエル側も、こういった判事や陪審員たちの心証を悪くしている部分があることを記事内で指摘されていて。

例えばニューヨークタイムス(2017/03/14)によれば、

Monsanto Weed Killer Roundup Faces New Doubts on Safety in Unsealed Documents - The New York Times

「なんかおたくらが書いた論文なのに他の研究者に名前だけ貸してもらっとらんか?おぅ?」と疑惑を投げられていたり、

またハフポスト(2017/06/06)によれば、

The EPA's Inspector General Is Probing Whether An Agency Staffer Colluded With Monsanto | HuffPost

「なんかおたくら味方のEPAと随分仲良くやってるそうじゃねぇか?ただの仲良しか?えぇ?」と追及されているわけよ。

 

もちろんこれらには企業側もそれぞれ反論しているわけだけどね。

ただ少なくともこういった報道によって、人々が持ってしまったイメージを覆すのはなかなか難しいということは確かなこと。

対Pilliod夫妻のケース

この件の場合は、夫婦二人共が非ホジキンリンパ腫になった!ということで、前ケースとは別の意味で関心が高い裁判。

 

さてPilliod夫妻は両者とも70代なわけだが、Alva氏は2011年、Alberta氏は2015年に発症したそうな。

The Pilliods, who are in their mid-70s, had been using Roundup for decades by the time Alva was diagnosed with non-Hodgkin's lymphoma in his bones in 2011. Four years later, Alberta was diagnosed with non-Hodgkin's lymphoma in the brain.

Roundup: Judge cuts $2 billion award for couple with cancer by 95% - The Washington Post

この時に計算されたラウンドアップ使用期間と使用量は、30年以上で週に1ガロンとのこと。

The couple estimated that they went through a gallon of Roundup per week over 30 years to fend off weeds on four residential properties. They did not use protective clothing or face masks. Both are currently in remission.

ただ現状、夫婦二人とも病気は寛解状態にあるようだ。

※なお別記事によれば、2011年時点では残り数か月の余命宣告をされていたようだが。

 

もちろんこの件も結果は言わずもがなでw

担当判事はこれについて、

“In this case there was clear and convincing evidence that Monsanto made efforts to impede, discourage, or distort scientific inquiry and the resulting science,” Smith wrote in the order.

リスクを明らかにするより、むしろ隠す方を頑張ってるやんけ!というところを企業側に責めている。

(※ただ判事としては陪審員たちを概ね支持しているものの、やはり後日懲罰的賠償を各人に10億ドルは過大ということで、計8670万ドルに減額している)

 

まぁそもそもなんで20億ドルなんて言う莫大な金額になったのかというと、陪審員の一人は、

Jury member Doug Olsen, speaking to reporters outside the courtroom, said the verdict was meant to have a “punch-in-the-gut effect” on the company. A Bayer spokesman said that the company was disappointed with Monday’s verdict.

Monsanto Hit With $2B in Punitives in Oakland Roundup Trial | The Recorder

要は「お灸をすえてやりたくて」判断した、と言っているね。うーん、それを人は単なる感情論というのではないだろうか?(哲学)。 陪審員制度ってふしぎ!

 

しかし企業側としてはもちろん賠償金自体が不服なので、色々突っ込んでいて、

The company denied wrongdoing and told the jury that the Pilliods’ cancer had other likely causes: Both of them had previously suffered other types of cancer that made them more vulnerable, and Alberta Pilliod was a longtime smoker.

Monsanto hit with staggering $2 billion verdict in Roundup cancer suit - SFChronicle.com

いや、そもそも二人とも昔に別のガンかかってたりするし、Albertaの方はずーっと喫煙者やんけ!ってことで別のリスク因子の可能性を挙げている。

 

他にも、原告の弁護士の姿勢に対して疑問を呈していて、

Photos With Daryl Hannah Are Among Monsanto's List of Complaints in Latest Roundup Trial | The Recorder

ダリル・ハンナとニール・ヤング夫妻とか環境保護派(&反モンサント的)な有名人と写真撮ってアピールするのやめーや!陪審員の心証に影響与えるやんけ!と抗議している。

 

まぁ上記記事内の写真からも分かる通り、もうね賛成派だろうが反対派だろうが、こういった「ロビー活動」"的"なイメージ戦略はアメリカでは日常茶飯事なわけよw

にもかかわらず、果たして陪審員たちが提出された証拠や証言だけをもとに、「公平に」結論を出せるのかは甚だ疑問なんだけどなぁ。

(もちろん手続き上は「公正」ではあるが、いわゆる"日本的な"裁判をイメージすると少し違うと思う)

実際1万件以上訴えられてんの?

はい、そうっすw 正確な数は1万3千とか4千とか言われているけれど、ぶっちゃけここまで来ると大差ないw

しかしなぜそんなに無差別なほどに連発して訴えられてるの?と問われると、そういう国だからwとしか言いようがない状態。

それが垣間見えるのが、ロイターの記事。

U.S. lawsuits build against Monsanto over alleged Roundup cancer link - Reuters

IARCの発がん性を示唆する発表の後、いくつかの法律事務所が原告募集に積極的に乗り出したことがサラッと書かれていて。

 

例えば、McDivitt法律事務所。

“We can prove that Monsanto knew about the dangers of glyphosate,” said Michael McDivitt, whose Colorado-based law firm is putting together cases for 50 individuals.
“There are a lot of studies showing glyphosate causes these cancers.”

うちに依頼すれば危険性きっちり証明できるでー(意訳)ってことで、公式サイト内のブログで相談受付の告知していたり。

mcdivittlaw.com

 

また、Saiontz & Kirk法律事務所。

To find plaintiffs, the Baltimore firm of Saiontz & Kirk advertises a “free Roundup lawsuit evaluation” on its website.

事務所サイト内に専用ページを作って、無料で訴訟評価(どのくらい勝てそうか?)を実施するよーって言ってみたり。

www.youhavealawyer.com

 

さらに、Schmidt & Clark法律事務所でも

The Washington, DC firm Schmidt & Clark is doing the same, as are other firms in Texas, Colorado and California.

 同じく専用ページ作って、相談は今すぐこちらから!ってやっている。

www.schmidtandclark.com

 

つまりだ、冒頭の方でも言及した通り、アメリカの弁護士さんたちは大勢いるわけで。

となると競争で生きていくためには善意だけでは食っていけないわけで、単純にやっぱりビジネスとしての側面もあるわけよ。

(たぶんWeb上だけじゃなく、普通にお茶の間のTVでさえ相談募集=訴訟勧誘のCMが流れるのが珍しくない環境なんじゃないかと)

これ仮に日本だったら、弁護士さんがこんなに積極的に宣伝するなんて、一時期公共交通機関の中吊り広告なんかでよく見た「過払い金の返還請求」の相談くらいじゃないの?w

ひとまずの結論

というわけで繰り返しになるけれど、訴訟乱発の要因はもう「カガク」的な何かとは完全に別ジャンルのお話。

予想される背景としては、IARCの発がん性発表、元々黒い噂(?)のある企業、でも大ヒット商品で誰もが使ってたラウンドアップ、そこへ全米の沢山いる弁護士さん、そしてお国柄としての訴訟文化、

それらが同時期に相互で絡み合ったことによって、人々の疑心暗鬼も加速ついて現在訴訟1万件以上!なんていう状態になってるんじゃないかと。

 

でもこれって日本規模で考えるから錯覚するけど、冒頭で紹介したウォルマートの集団訴訟160万人!とか平気で起こっちゃう国だと、別に1万件なんて大したことなく思えてくるふしぎ!w 

 

また、ロイターの記事内ではこんなことも書かれていて。

At least 700 lawsuits against Monsanto or Monsanto-related entities are pending, brought by law firms on behalf of people who claim their non-Hodgkin lymphoma was caused by exposure to PCBs that the company had manufactured until the late 1970s.

昭和生まれの方々の身の回りには普通にあったであろう、PCB(ポリ塩化ビフェニル)を含んだ製品たち。

それを過去に製造していた&1970年代には既に製造中止していたモンサントが、未だに700件以上のPCB裁判に巻き込まれているという話。(ラウンドアップ同様に、PCBが原因で「非ホジキンリンパ腫」になった!という争い)

 

もうね、今さら因果関係とかどうやって証明するのかちょっと良く分からないけれど、今回のラウンドアップの件でも分かる通り、そういう訴訟がよくある国なんだ、と理解するしかないと思うのよw

そもそも非ホジキンリンパ腫って?

ここからは今まで深く言及せずに、さらっと書いてきた「非ホジキンリンパ腫(NHL)」について。

まずはっきりとした原因は何なのか?というと実は未だによく分かっていない部分がある病気。

だからこそ余計にラウンドアップのグリホサートが原因なんだー!って話になりやすいんじゃないかと。

 

ということで次項はそれを踏まえてー、、

「Samsel & Seneff」理論の応用

前回記事ではお馴染みの「Samsel & Seneff」理論、いわゆる「統計がピッタリ当てはまったらそれはすなわち因果なんだー!」理論に基づいて、

逆に「グリホサートが非ホジキンリンパ腫の原因ではない」という結論を導き出して皮肉ってみよう

 

そもそも非ホジキンリンパ腫自体が、厚労省によれば

1970年代から1990年代にかけて世界的に非ホジキンリンパ腫の発生率が急増してきた。過去25年間の他のがんの発生率の増加は25%以下であるのに対して、非ホジキンリンパ腫の増加は80%以上である。65歳以上の年齢層では3倍に増加した。この増加の原因として診断技術の向上やエイズ患者の増加などがあげられている。

厚生労働省:悪性リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫と放射線被ばくとの因果関係について

世界的に増加傾向ということだし、診断技術の向上も一因として考えられていて、また血液学会によれば日本でも、

わが国における悪性リンパ腫の新規罹患者数は,2011年で24,778人とされている。罹患率は,1985年,1995年,2005年,2011年で人口10万人あたりそれぞれ5.5人,8.9人,13.3人,19.4人と,年々増加傾向にある。男女比は約3:2と男性に多く,70歳代が発症のピークである1)

ホーム|造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版|一般社団法人 日本血液学会

罹患率はだいたい10万人あたり19~20人ということになっているね。そして70代が発症ピークということ。

あれ?確か70代で発症して裁判起こしていた方々がいらっしゃったような。偶然か

 

さてさて、この数字を踏まえて、アメリカのデータを見てみよう。

f:id:yotsumao:20190902204155p:plain

https://cancerstatisticscenter.cancer.org/#!/cancer-site/Non-Hodgkin%20lymphoma

確かに1975年から比べればじわじわと増加傾向ではある。ただこれは世界的な趨勢。

現状の罹患率は男性でもだいたい10万人あたり24~26人、女性は16~17人程度だろうか。

 

さらに同サイトから人種、民族別。

f:id:yotsumao:20190902205000p:plain

あくまで数字だけを見てしまえば、どうやら白人やヒスパニックの方がリスクが高い「ように」判断できるので、遺伝的な何かも関係しているのか?と思えてしまう。

 

次に発症年齢。

f:id:yotsumao:20190902205306p:plain

これはグラフの見た目のマジックもあるけれど、数字上でもやはり70歳以上になると発症確率は大きく上がるようだね。

 

さて次に、グリホサート(ラウンドアップ)の米国での使用量のグラフ。

f:id:yotsumao:20190902205719p:plain

• Glyphosate use United States 1974-2014 | Statista

さっきの罹患率10万人あたりのグラフと比べてどう?ぜんぜん違う形してるでしょう?(折れ線と棒グラフの違いは脳内変換でw)

こんなに使用量が急増したのに、非ホジキンリンパ腫の増加なんてそれと比べれば微々たるもの。

(※だからこそ危険論者は、「これ以外にもあらゆる疾患に関係するんだー棒」という無茶を言い出す)

 

というわけで、グリホサートは非ホジキンリンパ腫とは関係ありません、はい論破!、、的なことを危険論側でやっていたのが、前回記事におけるSamsel & Seneff論文

 

ね?雑な科学ってダメでしょ?w

「Zen」理論の応用

せっかくなんで、前回記事のZen Honeycutt氏による「Zen」理論、すなわち「エビと胎児は同じだからエビに起こったことは人間にも起こるんだー!」理論も同様に活用して、

逆に「グリホサートに害はない」という結論を導き出して皮肉ってみよう。(っていうかZen理論って単語の響きはかっこいい、くやしいっ!w)

 

まず前回読者にはお馴染みのこのフレーズ。

グリホサートは5.2ppmで人間の胎児の重さの海老が死ぬ

こんや12じだれかがしぬ、的なモノを彷彿とさせるわけだけどw

要は6週目の赤ちゃんの大きさはエビと同じ、ゆえにグリホサート水の中でエビが4日以内に死ぬのだから赤ちゃんにも同じことが言えるだろう、っていう理論なんだよね。

 

(※本来の"Zen理論"の文意(方向性)はどちらかと言うと、「犬猫に有害なネギ類は当然ヒトにも有害であろう!」と言いかねないニュアンスのトンデモ論なわけだけど、例題を容易にするために体長問題の比較に置き換えて話を進めるよ)

 

んで、6週目の赤ちゃんはだいたい1cm程度。つまり言い換えれば体長1cmの人間は5.2ppmのグリホサートの毒性に対しては4日しか耐えられないと。

さて、ここで先述のHardeman氏の裁判を思い出してみよう。彼は70歳とはいえ平均的なアメリカ人として身長180cmはありそうだ。

 

この体長を元にZen理論で解釈すると、4日の180倍=720日、つまりグリホサートに接したら2年も生きられない計算になる。

しかしこれは濃度が5.2ppmでの話。Hardeman氏は26年もの間、6000ガロン=22000リットル以上のラウンドアップを使用している。

これは単純計算、ラウンドアップの液体の半分はグリホサートなので、500ppm(比重無視)というZen理論の百倍の高濃度環境に超大容量&長期間接しているはず。つまりいとも簡単に100倍速く(強く)害が及ぶ。

ということは、先ほどの計算式から得られた720日を100で割ると、グリホサート使用開始からわずか7日で身体に異常を来すことになる。

 

が、結果としてHardeman氏は26年間もの長い間ラウンドアップを使用していた。これは計算上の答えと矛盾する。つまり「害がある」という仮定が間違っている

というわけで、グリホサートは何の害とも関係ありません、はい論破!、、的なことを危険論側でやっていたのが、前回記事におけるZen理論

 

ね?雑なこじつけってダメでしょ?w

ふざけすぎると怒られそうなのでw

最後にちょっとマジメかつ冷静に今回の訴訟乱発を見ている米国記事も紹介しておこう。

まずこの記事では、

If You Accept Science, You Accept Roundup Does Not Cause Cancer | American Council on Science and Health

そもそも話として、

Glyphosate is one of the most used herbicides worldwide. It kills weeds by targeting a specific pathway (the shikimic acid pathway) that exists in plants and a type of bacteria (eubacteria), but not animals (or humans).

In terms of short-term exposure, glyphosate is less toxic than table salt. 

グリホサートは動物や人間に存在しない代謝経路に働くのに、(ゆえに植物を枯らすわけで)短期的に害なんて考えられない、っていうか食卓塩レベルという話。

 

※大抵こういった文脈へは「だったら飲んでみろー!」「飲んだら飲むんか?おぅ?」とかいう実にしょーもない水掛け論があるんだけれど、

仮に目の前で飲んであげたところで、危険論者が同様に飲用する姿がまるで想像できないので不毛

(てか例えば、つけ麺スープや蕎麦湯だって薄めたところで塩分的に体に良くなさげに思うわけだが、365日3食飲み干してるならまだしも、そんな細けぇこと気にするヒトおるん?っていう)

 

では昨今、危険論者が槍玉に挙げる長期&慢性使用の影響は?ということなんだけど、

この記事内では裁判上でよく引用されるIARCの分類自体は「統計的に有意では無い」と一刀両断しているね。

 

※そもそも下記の記事によれば、EPA自体が「発がん性」という表記を製品に認めないという決定がなされているようだ。なのにリスクを記載しろって求められてもねぇw

グリホサート発がん性は虚偽 - FoodWatchJapan

(これはラウンドアップに限らず、その特許切れによって製品化されたグリホサート系のジェネリック商品に対する包括的な話)

 

また、次の記事では

A New Study About Roundup and Cancer Doesn’t Say What You Probably Think It Does – Reason.com

NHLいわゆる非ホジキンリンパ腫のリスクが、グリホサート使用で41%上昇する!という研究結果について触れていて、

Forty-one percent sounds pretty bad, but let's put in context. About 20 new cases of NHL are diagnosed per 100,000 men and women each year. Assuming that 41 percent figure is right, that would suggest that 8 additional new NHL cases would be expected each year for every 100,000 exposed to glyphosate. Interestingly, the incidence rate of NHL has remained essentially flat even after the advent of herbicide resistant biotech crops encouraged the rising use of glyphosate. Keep in mind that your lifetime risk of developing or dying from cancer if you are male is 40 and 22 percent respectively. If female, the odds are 38 and 19 percent.

もし41%リスク上昇が正しいなら、10万人ごとの罹患率が8人上昇するはず、なのになんでアメリカの罹患率は最近ずっと横ばいなんや?ラウンドアップめっちゃ使ってるで?

(※この点は、算数の知識をもって先の項で引用したグラフを見つめてみれば自明)

っていうか数字見ると騒ぐけど、そもそも人間生きてりゃ誰もが4割のヒトはガンになるで。(意訳)という話。

 

またそのリスク研究自体へも、統計学的に有意かどうか微妙という可能性を指摘していて、ガン発生の強い根拠として使うのはちょっと違うんじゃないかなー的なことが書かれている。

 

そしてトリを務めるのが、ロサンゼルスタイムス。

ピューリッツァー賞も受賞したジャーナリスト、マイケル・ヒルツィク氏による良記事

Column: Did a jury ignore science when it hit Monsanto with a $2-billion verdict? - Los Angeles Times

先述のNHLに罹患した夫婦に対して20億ドルの賠償金!という裁判に対しては、

“Many judges aren't sure that juries do get it right,” says Joseph Sanders, a University of Houston law professor who has studied the role of expert testimony in court.

そもそも陪審員が正しい!なんてほとんど思われてないよ、という法廷専門家の意見を紹介していて、

It’s possible that when the science underlying a liability claim is equivocal, jurors may look for other grounds to come to a judgment — favoring a couple like the Pilliods, who are both in their 70s and facing the dismal prospects of living their lives in the shadow of cancer, against a big corporation with a rapacious image.

賠償の科学的根拠が弱いと、陪審員は何とか別の理由を見つけたがる

だからこそ「70代でガンを患った老夫婦」という可哀想な原告をより支持したと。さらに既に別項でも引用したように、

He said jurors were hoping their verdict would have a “ punch-in-the-gut effect .”

お灸をすえる」効果を期待した陪審員もいて、要はかなり陪審員たちの心証が評決に影響を与えているということ。

 

とはいえ、バイエル(モンサント)側も、その心証を悪くさせている要素を生み出しているのは否定できなくて、

As we reported last year , the company has spent an average of almost $6 million a year since 2010 on lobbying in Washington.

2010年以来、年間600万ドルをいわゆる「ロビー活動」に使っているよね、と。

まぁこれはタバコ業界がガンのリスク因子として近年槍玉に挙げられまくっていても、米国では未だにロビーしてるので特段珍しくもないんだがw

 

ただ、そういった部分が見え隠れしているからこそ、Hardeman氏のケースでは裁判官に、

Monsanto does not particularly care whether its product is in fact giving people cancer, focusing instead on manipulating public opinion and undermining anyone who raises genuine and legitimate concerns.

発がん性の真偽究明より、ロビーにばっか集中しとるやろ!と批判されている。

 

また、先入観やイメージで評決してないか?という常々挙がる疑義に対して、Johnson氏の裁判を担当した陪審員の一人は、

Our verdict was not flawed or inflamed by either passion or prejudice

みんなちゃんとやってっから!(意訳)という抗議を判事宛に直々にメールしている。(PDF)

https://usrtk.org/wp-content/uploads/2018/10/Juror-Kitahata-letter-to-judge.pdf

 

という感じで、このLAタイムズの記事は結構総括的な文脈でコンパクトにまとめてあり、賛否両サイドの視点から冷静に見ているので、お時間あればぜひ引用元へ。

~イデオロギー的なキケン論に思う、まとめ的な何か~

とりあえず、またぐだぐだと2万字超えしてしまったわけだがw やべぇ、また長い!って怒られるw

ということで急いでざっくりと結論を言うと、やっぱアメリカってそういう国だよね!ていうか中身背景はきちんと調べた方が良いね!ってことかな(雑)

 

以降は「まとめ""な何か」ってことで、全くまとめる気が皆無な見出し詐偽な内容w

 

主な中身としては、極端な危険論運動(有害か無害かのゼロイチ思考)や、善悪二元論の陰謀厨、排他的で偏った一部のオーガニッカー(自然派≒ナチュラリスト含め)さんに対して、

本当に単なる所感をダラダラと長ーく書き並べただけなので、さすがにもう超絶ヒマ人以外は読まなくて良いと思うでw

(よって文意には、"大多数の冷静かつ勉強熱心でマジメかつマトモな"農業従事者およびその利用者を批判する意図を含まない)

 

※上記までの本論より、格段に雑多な5000字ほどのコンテンツとなっております。読み飛ばしたいかたは次項(最終見出し)の「関連記事」へGo!

 

さてさてこの一連の件で思うのは、改めて言うけど、やはりもはや科学論争の範疇じゃなくなってるということ。

潔癖な危険厨(とあえて書く)は基本的に"程度"の問題を全く見ようとしないので、いわゆる"DHMO"がネタじゃなくなる日もそう遠くない未来だと思うレベルw

(しかもタチが悪いのは、何かの危険論が下火なると(騒ぎ過ぎなだけだったというオチになると)総括無しに、しれっとターゲットを次に変えてキケンダーを言い続けていく。※さらに、自らは高台にいて下々の洪水(にも満たない水溜まり)をギャーギャー喚いているイメージ)

 

例えばここで、ちょっとした皮肉を言ってみる。

この国で身近にある(栽培されている)発がん性物質を含んだ食品といえば、山菜ソバでもお馴染みの「ワラビ」がある。

でも誰もそれについて危険性を指摘しないよね?山菜料理にワラビを入れるなー!とは言わないよね?(まぁ大昔に言ってた人はいた気がするがw)

ちなみにワラビは圧倒的な量が中国から輸入されてきているわけだけど、ワラビを輸入するなー!って運動も別に起こらないよね?うーん、なぜだろう??(※注:皮肉です)

 

では、その答えを見てみよう。

国内におけるワラビの生産量ダントツ1位の山形県は、(比例してワラビが食卓に並ぶ機会が多いと仮定すると)有意に平均寿命が低いわけでもガンの罹患率が高いわけでもない。

加えて、生産シェアトップ10に名を連ねる長野県に至っては、むしろ平均寿命は上位トップ3の常連でガン罹患率も低水準。つまり数字の上でさえ健康被害の相関が一切見られない

まぁそれもそのはず、実はこの発がん物質は1度にトラックの荷台いっぱいのワラビ食ったら(比喩)ヤバいかもだけど、って言われているレベルw (しかも調理前のアク抜き時に成分が溶け出すしね)

つまり、無視できるリスクだから誰も問題として取り上げない。

 

そりゃそうだろ!極論過ぎだ!ワラビとグリホサートとは別次元の問題だー!みたいなこと言われそうだけれど、いやいや、その反論は少しおかしい

なぜなら、このワラビ是非例題を希釈して沈殿した(というか濾過して)本質だけを取り出して見てみれば、

こういった「発がん物質が含まれている」という言葉だけ聞くと一見害がありそうなモノ(だが他方で科学的には害が無視できるモノ)を批判しないスタンスって、日頃の危険厨の発想からすると違和感があるんだよ。

 

だって、基本的にはリスクを極限までゼロにすることを是(リスクが全く無いことを究極の理想形)としているはずなんだから。

(そして可能性が1mmでもあるならば(長期&慢性的に摂取したらどうなるか分からないじゃないかー!と)声の大きいヒトたちが煙を立てたがる)

 

別にワラビに限らず、そういった身の回りに自然とある数多の「発がん性物質」たちを猛追しないのであれば、ラウンドアップにおけるグリホサートだけをやたらと目の敵にするのはおかしい。(寄ってたかって叩きやすいから叩いている印象)

※そういえば一時期、ジャガイモを高温調理すると発ガン物質が生まれるとかで、フライドポテトやポテトチップスがキケン!というヒトもいたねw

でもそれに対して、いま何か製造販売中止運動とかされてるっけ?w

 

っていうか普通、除草剤にしろ農薬にしろ"えびでんす"(ってこのキーワードの昨今の多用は好きじゃないが)によって、許容量や基準値が定められ(適宜規制され)た上で、正しい用法用量において限定的用途に使用するモノなわけで。

そういった条件下で、現状はヒトへの有意で確固たる健康被害やリスクが証明できない以上、「農"薬"」といった類いの字面を恐れて、使うのをためらう必要のある代物ではないはずなんだよ。

 

(むしろ自然界に存在するよく分からんモノ(≒無数の成分による複雑な化合物)より、人工的に合成された薬品の方が、一体どんな化学物質が含まれているのかが単純明快で、逆に安全と考えることもできるよね?っていうw)

 

まぁもし全面禁止する(したい)と言うのなら、他国がどうとか喚くんじゃなくて、せめて学会内で"コンセンサスの取れた"データを持ち出してから、まずはお話を始めようぜ、と。(まぁEUはそういうスタンス皆無みたいだけどねー(棒)

 

結局のところ危険厨の判断基準って、自分の脳内における危険(だと思う)か安全(だと思う)かに依ってる感じがすごいんだよねぇ。

そして往々にして、そこにはキケン(と思うモノ)を排除した後に自らが普及したい「目的」が含まれている。てかもはやそれ、生き方とか好みの話じゃんっていう。

(科学云々よりも当人が納得できるかどうか、という心情的な問題に重きを置いている。加えて、多国籍企業の陰謀ガーとか言っている人たち(やその思想的首謀者)が、むしろウラに別の意図を抱えてますよね?っていうw)

 

まぁちなみに先ほどのワラビについて付言しておくと、山に普通に自生しているお野菜(山菜)なわけで、仮にいい環境で育てたところで発がん性物質入ってるけどな。

※おそらく自然(植物)由来だと体に優しいとか言うヒトは、トリカブトやフグ毒に耐性でも持ってるんやろなー(棒って思うし、

ヒトが昔から接してきてるモノなら安心だ(=人工の化学物質や新しいモノは信用できない論)と言うヒトは、きっとタバコを嫌煙せずにヘビースモーカーなんやろなー(棒って思うわん。

(菜食至上主義やオーガニックマンセー、自然由来の物なら=無条件に体に良いモノ厨を皮肉っています)

 

ていうか食事なんて、国産だろうが、外国産だろうが、無農薬だろうが、有機栽培だろうが、肉も野菜もその他諸々も、色んな所の色んなモノをバランス良く取った方が良さげだね、で普通は話が終わるんだが。

 

それこそリスク分散の意味でも、とある特定のオーガニック業者だけが安心安全って思える理由が分からなくて、自分が生産に関わっていたり個人的な付き合いあるならまだしも、

"実は裏でバンバン基準値超えてましたー"とかなったらオーガニッカーさんたちは一体どうするんやろか。

(おそらく阿鼻叫喚するw それにしても無農薬や有機に携わる者は必ず皆"マジメなはず"という思考がよく分からない。※そりゃ大部分はマジメなのだろうが。

食や健康のリスクを究極的にゼロ化することをマンセーしているのに、"ナニか"に単一で依存することで起きかねないリスクを無視する)

 

まぁ細かいこと気にしすぎたらキリがないのよ。むしろ垂れ流される情報に一喜一憂して、そうやって神経質にストレス貯める方が不健康だわ。

過剰なゼロリスクマンセーとか、反医療やらオーガニック信仰やら、別にそれを信じている人たちが(他人に強制or過度な勧誘しない限り)どう生きるのかは自由だけれど、

しかしその思想を社会全体に受け入れさせよう!ってのはさすがに今の界隈のやり方じゃちょっとキツイというか、たぶん無理だと思うわけよ。

 

※特に作物における高付加価値戦略とコスト競争は、市場のターゲット層や規模に相違があるはずで、

多くは前者に位置するであろうオーガニック○○を全体に無理矢理一般化させようとする行為自体が、設計主義的で歪みを生みかねないよね。

(また前者において仮に地球規模で推進するとして、果たしてコストを抑えつつも大量に安定供給が目指せるのか(食料確保の問題)という点は大いに疑問)

 

それこそ、既存の概念や社会を変革しうる事柄だとすれば、余計に地道に考え抜いてやらないと大衆は付いてくるはずなくて、

必ず受け入れられる!なぜならこんなに世間は危なくて、こんなに私たちは清いのに!分からないやつみんな馬鹿!って先鋭化していくのは、さすがに暴論だと思うわけ。

でもなぜか反○○とかアンチ○○の人々の多くからは、その思想周知の方法論に対して真摯に向き合ったり繊細にこだわっている印象をまるで受けなくて、時にセンセーショナルで過激な手法に頼るよね。

 

いや、それで付いてくる人がゼロとは言わんよ。でもハッキリ言って、局地の戦術的には良くても、それは全体の大戦略としては間違ってると思うわけ。

危険論で煽って付いてくるのはあくまでそれになびくヒトたちだけであって、さすがにそれで世論の過半数を勝ち取るのは厳しくないか、と。

 

ネット上では反GMOだの、反農薬だの、反医療だの、反ワクチンだの、まぁ山ほど反○○ってあるけれど、

それらって私見ですげー雑にまとめちゃうとね、反権威とか反権力、あるいは反体制といったリベラル"ちっく"な思想が根底の共通項にあると思うんだよ。

 

どこかに巨悪が設定されていて、それを打ち破る民衆のジャスティス!正義のワタシたち!みたいな。別にその考え自体は全否定しないけどさ。

※このとき、企業や政府が結託してウソをついて大衆を騙してるんだー!放っておいたら必ず何か悪さをしでかす絶対悪なんだー!思想もよくセットで使われる。

 

(まぁそうなるとプロ市民、一般ピープルである素人の方が、より品行方正で常に正しい言論である、という明確な根拠が必要となるよね。

そこに触れるとなぜかキレたりするがw 特に学術分野や科学技術等といった専門知識が要求されるなら尚更。)

※っていうか一部の左派や右派系に根強い、企業の利潤追求や政府の規制緩和etcがまるで全て悪いことかのような、清貧思想や規制原理主義はさすがにどうかと思う)

 

この正義のワタシたち!展開でよくあるパターンなのは、本来は自己の生き方を決定する上で、単に社会へのアンチテーゼを心に抱いていただけなはずが、

SNS上などで"同志"を発見したことで徐々に言動が先鋭化、言論の極端さや思想の偏りが客観視出来なくなる。(クローズドを思わせる環境なら尚更)

すると果ては企業がーだの、政府がーだの、国がーだの、世界がーだの、人類がーだの、動物がーだの、

植物がーだの、環境がーだの、地球がーだの、いつの間にかどんどん問題提起がスケールアップしていく。

 

別にいいじゃない、自分は誰がなんと言おうとこう生きる!としてオーガニックやらスピリチュアルに傾倒したわけでしょう?

それはそれで信念だし、生き方の決定の上では「考えてそう思った」と言う名の立派な根拠じゃない。

なのに、なぜどんどん根拠を肥大&正当化するかのように問題提起を広げまくって、社会や世の中全体に"急進的な"変革を求めるようになるんかね?

 

というかわざわざ世界を変える必要なんて無くて、もし同志がそんなに多いのなら、自らが嫌なモノを見なくて済む、

接しなくて済む自分たちだけの理想の独立した"セカイ"は何処かに作れると思うんだけどねぇ。(多分原始共産制が向いているw)

 

しかし大抵、キケンな(と自らが思う)モノなら理由や対案なんて必要ないんだー!世の中が騙されてるんだー!未来のために社会を正すのは当然なんだー!ってなりがちなんだけど、いやいや少なくとも変える以上は対案は要るから。

それで大きく回ってる社会の仕組みが既にあるのだとしたら、それで現に経済が回って生きている人がいるわけだから。

※っていうか、反○○やアンチ○○系の多くの理想論は、地球のみんなが同じ価値観を共有し同一の判断基準で生きてこそ、

ようやく達成しうる目的を内包しているので、そんなリアル人類補完計画的な歪な構造は控えめに言って気色悪い。

 

せめて能ある鷹ならば、爪を隠して狡猾に慎重に、徐々に根回しして穏便に大衆を変えていこうや。

ワタシたちはネットで真実に気付いたんだー!とかもよく言われるけれど、別にネットだろうがリアルだろうが、ウソもホントも当然に存在するわけで、

それにアクセスする能力とその真偽の正確な判断力次第で、時には結果の解釈さえ変わって来るんじゃないの?っていう。

 

特に細かいこと気にせず生きている(とあえて書く)大衆にとって、そういったよく分からない"ナニか"なのに、いきなりみんなに同意を求めるのはさすがにキツイでしょ。

もし自分が正しい(と思うこと)を言っていれば、どんな方法でも構わない、変わらない社会の方が悪い、となってしまったらそれはもはやカルトと同じだと思うよ。

 (特定の思想を推し進めないと、自らの存在意義が揺らぎかねない(目的が達成できない)、とする誤った方向性の括弧付きの"宗教"。

※そして概ね当人たちはその偏りや過激さによる副作用(=大衆の忌避感を煽り一層自分達が受け入れてもらいにくい)を認知できていない)

 

しかしまぁいずれにしろ、自らの言論を補強するために、ニセ科学やエセ科学のような"ヘンテコなカガク(ジャンクサイエンス)"をくっ付けるのだけはやめてくれないかなw

私はサブカルとして、疑似科学も陰謀論も、UFOもUMAも心霊も超能力も、オカルトも都市伝説も月刊ムーも元来ぜーんぶ大好きなんだよ。

なのに、変な目的に使われちゃうと、結果的にどんどん自粛的な流れが起きて減っちゃうからさぁ。

あなたの知らない世界もなくなって、ノストラダムスの予言も大ハズレして、スケプティカル精神を刺激する古き良きエンタメが少なくなって寂しいんだよw

 

そこで、この悪しき流れを打破するには、やはりまずラウンドアップを皆が認めて買って試してみることが必要だ!(唐突かつ強引なロジックで終えようとしています)

というわけで、バイエルや旧モンサントが嫌いでも、ご自宅の雑草にこちらの日産化学のグリホサートはいかがですか?w(※注:成分は基本同じです)

日産化学 除草剤 原液タイプ ラウンドアップマックスロード 500ml

日産化学 除草剤 原液タイプ ラウンドアップマックスロード 500ml

 

P.S. さて万が一、この文末まで辿り着いた稀有なかたがいらっしゃいましたら、この度も冗長な駄文にお付き合い頂きありがとうございました。

騒動界隈に生暖かい目線を保ちたい時などに、是非ご活用くださいませ。

(多分この記事をソースにして危険厨を論破しに行こうとするのは不毛だし、色んな意味で面倒なのでお勧めしないよw)

◆追記:関連記事◆

奇しくも私がこの記事をアップした翌日。

タイミング悪くまさかの同様の論点で、とあるサイトにて(ジャンルを網羅して全文読むには有料。そして内容もクオリティも優良)記事が公開された。

 

なんとあの「論座」にて危険運動への懐疑&批判的検証記事の前編、

反「遺伝子組換え」団体が作りだす意図的誤解の罪 - 唐木英明|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

さらに翌日にはその後編が公開されたわけよ。

除草剤の使用禁止がもたらす世界の食糧危機 - 唐木英明|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

 

そしてこれらの著者は、泣く子も黙る東大名誉教授であり農学博士の唐木英明氏。

(おそらく危険厨が当該記事へどう反応するかによって、危険厨の正体(反権威主義に見せかけた「自分好み」の権威主義)が垣間見れそうだよ!やったね!w)

 

いやん、私なりにこの記事はそれなりにすげー長い時間かけて書いたのに、当騒動に関心のある層が全部そっちに持ってかれちゃってる感がすさまじいw

しかもまさかの左翼御用達でお馴染み朝日新聞の「論座」とは!おのれぃ、たまには良い記事書くやんけw

くっ、くやしいっ(ビクンビクン)、でもry

 

というわけで、この騒動をもっともっと深堀りしてみたいかたは、ぜひリンク先で登録&ログインして一読してみてね(はぁと