様々なメーカーの療法食【キャットフードの成分比較】

ネコの療法食分野では多くのメーカーが、それぞれ特色を持ったフードを世に送り出している。

実際のところ、各メーカーが採用している基準値などはどれも大きな差異はないが、製品コンセプトについては違いがある。

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特に、食欲不振に陥った猫にとっては、フードの風味や形状など、好みやステージに適した選択肢が多いことに越したことはない。

 

ここでは店頭や動物病院などで比較的よく目にするもののうち、主要メーカー以外で腎臓病に対応したセカンドオピニオン的な商品を紹介していく。

 

FORZA10

フォルツァディエチと読む。イタリアの獣医師が携わったペットフード。

ネコのCKDに対しては、リナールアクティブというシリーズが相当する。

 

ドライフード1種、ウェットフードがカレイとラムの2種が販売されている。

 

ドライ、タンパク質26.0、リン0.80、ナトリウム0.24。

カレイチキン、7.6、0.20、0.10。ラムチキン、6.0、0.10、0.05

 

低リン・低タンパク質はもちろんだが、リンに関しては他社より若干高い数値を基準として採用している。

 

原材料にこだわっていて、さらにフィトケミカルとよばれる植物由来の抗酸化成分によって、腎機能維持を意図している。

 

ダイエティクス

日清製粉グループのペットラインが発売しているフード。

普通食もあるJPスタイルのシリーズだが、基本的には病院専売となっている。

 

鳥獣の肉類がベースになった療法食が多い中で、魚原料を使用して嗜好性を高めているのは特筆すべきだろう。

 

さらに原材料が微粉砕されていることで消化性が高く、分包タイプもあり使いやすさにも配慮されているのは、国内メーカーならでは。

 

キドニーキープシリーズではドライ2種、ウェット1種がある。

 

ドライ、タンパク質24.0、リン0.50、ナトリウム0.25

ドライ リッチテイスト、24.0、0.50、0.25

ウェット パウチ、3.0、0.10、0.06

 

リッチテイストは小容量だが、より風味を高めてあり、フードに飽きやすいときに使用できる。

さらにパウチは食べきり容量で、これも与えやすさはある。しかしその分、どちらも若干割高にはなる。

 

ドクターズケア

こちらも基本的には病院専売の療法食になっている。外国産が多い中、国産のフードであることは貴重な存在。

 

慢性腎臓病対応としてはキドニーケアのドライフード2種のみで、テイストがチキンとフィッシュがある。

 

フィッシュ、タンパク質24.2、リン0.36、ナトリウム0.30

チキン、24.2、0.35、0.20

 

腎機能の健康維持としてオメガ3脂肪酸が配合されていることに加えて、可溶性食物繊維によって老廃物の排出促進が意図されている。

 

ベッツソリューション

イタリアで創業されたフードメーカーのVetSolutionブランド。クリニックでは比較的よく見かけることがあるだろう。

 

グレインフリーであることが大きな特徴で、穀物アレルギーを持つネコにとっては選択肢の一つ。
 
腎臓サポートとしてドライフード1種がラインナップされている。タンパク質25.0、リン0.30、ナトリウム0.09。

 

オメガ3脂肪酸に加えて、フィットアロマというコンセプトで緑茶ポリフェノールを配合し、抗炎症効果や嗜好性向上も目的としている。

 

ベッツセレクション

イースター株式会社が販売するVet's Selectionというブランド。

 

腎ケアとしてドライフードとして2種類の風味がある。PPレーベルがポーク、BPレーベルがビーフ。

 

タンパク質27.0、リン0.50、ナトリウム表記はなし。

 

穀物類としては国産米のみが使用され、さらにリン吸着や老廃物排出に関与する活性炭(ヘルスカーボン)が配合されていて、個性的なフード。

 

ちなみにこの活性炭が入ったチキンレバー風味のトリーツもあり、飽きがちな食事の間のおやつとして活用できそう。

 

トリーツ、26.0、0.40、0.20

 

チューブダイエット

森乳サンワールドが発売するTube Dietシリーズ。粉末の個包装となっていて、基本的には水に溶かして、シリンジなどで与える。

 

こちらは日々の療法食というよりは、通常のフードにプラスアルファとして、または緊急時や末期時などやや用途が異なることになるだろう。

 

腎疾患用としてキドナ1種がラインナップされている。タンパク質32.0、リン0.40、ナトリウム0.20

 

消化吸収性が高いことはもちろん、必須アミノ酸を多く含むことによって腎機能の改善を促すとされている。

 

このほかに、ハイカロリー・高たんぱくタイプ、タンパク質43.0、リン0.50、ナトリウム0.30、

さらにハイカロリー・高脂肪の緊急用、29.0、0.30、0.40がある。

 

参考・メディファス

最後に参考として、普通食のメディファスについて記載しておく。

店頭販売されている一般的なフードの中では、最も健康管理や維持を意識している主要ブランドの一つ。

 

ここでは最もシニア猫向けの腎臓の健康維持シリーズ、アドバンスドライ11歳、ウェットまぐろ18歳を紹介する。

 

ドライ、タンパク質24.5、リン0.52、ナトリウム0.21

ウェット、4.2、0.12、0.05


水分含有量の差もあるので単純比較はできないが、療法食と比べてしまうと数値の幅は随分と違うことが見て取れるかと思う。

 

このように、動物病院にて獣医師の診断を受けた後では普通食ではやはり不十分なので、ネコの状態にあった療法食選びが大切になる。

※上記数値は、各メーカー公式サイト等より参照。%やgなどの混在を避けるため単位省略。

 

寄稿者:rai

編:yotsumao

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